これは2002年3月に提出した卒論で、タイトルは 「都市現象への確率論的説明モデルを使った考察」といいます。 紹介で述べましたように、人々のマクロな都市的活動をどの程度「熱力学的」に解釈し直せるか、 そういう考え方によりどのような見地が開けるのか、 という点を追求しています。熱力学と複雑系の知見を、 個々の具体的な社会的都市的過程に即して、どう応用できるか検討しています。 「都市現象への確率論的説明モデルを使った考察」
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この論文のネライとかココロを簡単にご説明しますと、 論文全体を通して都市的事象(注1) の熱力学的解釈・表現モデルを1つ提案しているのであります。 この解釈モデルはまだまだ曖昧ですが、 しかし生身の人間の活動が非常に複雑で表現しにくいものだという点に注意して下さい。 理工系の方からは「曖昧すぎて何も意味したことにならない」 とご指摘・叱責を受けるでしょう。 しかし逆に、 文系の方からは「こんな窮屈な解釈によって表わせる事なんてたかが知れている」 とご指摘・叱責を受けるに違いないのです。 私は文系と理系の真ん中に立とうとしたのです(注2) 。
- 注1:この「都市的」という言葉の用法は、 きわめて建築系に独自のものだと思います。 社会学でもこんな「都市的」という言葉の使い方はしないでしょう。 建築関係者以外の方には「そんなもんだ」と思って頂く以外にありません。 この「都市」は、田舎 VS 都市という対立における都市の事ではありません。 なぜなら田舎でも、この言うところの「都市的活動」は多く為されているからです。 むしろ人々が社会的になす一定の活動領域・範囲を指しています。 説明が難しいですね。
注2:ここでいう文系とは、 建築関係者の中でも文化系的にものを考える人達を指しています。 文化系といいますと、歴史学も、ある種の地理学も、哲学も関係してきます。 都市の記号論的解釈をやっている人も含まれるでしょう。 一方、理系とは、熱力学をやっている人とか自然科学系全般を指します。 勿論、建築分野にも設備とか構造とか理系の知識を駆使する部分があるわけです。 そういう発想の人達やコロニーを全て指します。
そういうスタンドポイントに立とうと努力した人が今までに何人居られたでしょうか。 大抵は理系のスタンダードに埋没するか、文系の概念世界に安住しているだけです。 でももし<真理・真実>があるとしたら、 それは文系・理系を問わず共通に認識されるべきものでしょう。 そういう思いで私は真ん中に立とうとしたのです。 もちろんそれは難しい事です。とても素晴らしい成果を上げるなんて事はできません。 でも、そういう努力が必要だ!、というのが、私がこの論文を作った時の思いでした。 「建築」という分野の人間がそれを試みるのは、なかなか適切というか合っているような気がいたします。
先に挙げた「梗概」は発表当時の文章でありまして、 上に書いたような文系理系がどうのこうのという書き方は一切していません。 「都市的現象をより厳密に扱う為に、概念の検討とモデル化を行う」と書いています。
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